CCT WinU
 技術評論社は、マニアックというか、ひとくせある玄人相手の雑誌をつくっていました。パソコン雑誌『The BASIC』には、まだ、ソフトの著作権がうるさくなかったころ、ソフトのコピーツールの広告や、コピーソフトの販売広告、なんて、現在では信じられないことがあったのです。フロッピーが、10枚で1万円もしたころの話です。

 そんなひとくせある会社が、通信ソフトをつくりました。MS-DOSでうごくCCTは、そのカスタマイズの自由さ、高度なマクロ作成機能などが支持されて、定番ソフトとなりました。

 NiftyServe、PC-VAN、などのパソコン通信ホストへ接続するためのオートパリロット機能も、充実していました。現在、Windowsに付属するターミナルソフトの高機能版と考えてください。

 今は、ISDNでのインターネット接続は、115,000bpsという早さですよね。パソコン通信黎明期には、EPSONから発売されたモデムが、300bpsというものでした。それから、1200bpsのモデムで、通信が普及し始めたのですが、たった、20KBほどのデータを30分かけて、ダウンロードする、というのんびりとした時代でした。それも電話回線の品質がよくなくて、途中でよく切れるため、やり直しの連続だったぐらいにして・・・。

 先ほど、技術評論社のHPを覗いたら、CCTのことは、載っていませんでした。もう、役割は終わって、IEやNetScapeなどのブラウザにその地位を譲ってしまったのでしょうね。

 ともかく、CCTというソフトによって、パソコン通信の世界が広がったのは、事実です。