パリの水割りワイン/北海道池田町編
 北海道池田町の開町100周年記念事業として実行委員会が組織され、いろいろな行事が取り組まれることになりました。
その中に、「ワインにまつわるエッセイコンテスト」と「十勝ワインフォトコンテスト」がありました。営業課が中心となって募集をしていたのですが、私は、「どうせたいしたことないコンテストだろう・・・」なんて横目でみておりました。ところが、送られてくる写真を見てみると・・・それはそれは驚きでした。

 エッセイは事前選考でふるいにかけられ、残りを作家の村松友視氏、小檜山博氏、八柳鐵郎氏という、そうそうたるメンバーで審査されました。応募作品のレベルが高かったということは、この本の巻末でも述べられています。

 ワインにまつわる・・というのは、十勝ワインに限らず、一般的にワインとの関わりや出会い、想いでなどを綴るというのが条件でした。

 最優秀賞は「パリの水割りワイン」1点。そして優秀賞は4点でしたが、私がとても印象に残る作品は優秀賞のひとつ、「天国から贈られてきたワイン」でした。

 北海道出張から帰宅したご主人が、その4日後に突然、亡くなってしまう。告別式が終わって家に帰るとワインのダンボールが届いていた。それは、ご主人が自分宛に送ったワインが入ったおみやげ用だった。3本のワインのラベルには妻あての文字が・・・。

 切なく哀しい作品、ちょっとおしゃれなもの、人生を語ったもの・・。いろいろな作品が胸を打ちます。

 巻末にフォトコンテストで入選された方々の写真も、いくつか掲載されています。

 この本、お薦めします。けっして、手前味噌ではありませんぞ。