Q9 | ラベルに「酸化防止剤含有」と書いてありますが・・・・ |
|
|
A | 世界中で使われている二酸化イオウを使用しています。 ピロ亜硫酸カリウムを水に溶かして、二酸化イオウを発生させています。 殺菌作用、酸化・褐変防止、混濁防止(タンパク、タンニンと結びつく)、ポリフェノールの抽出、 グリセリンを増加させるなどの目的で使いますが、多く使いすぎると熟成が遅れたり、 特有の亜硫酸臭(ツンッと鼻にくる)で香りを害したりします。 特に、ブドウをつぶす際の微生物汚染防止に使われます。 昔(今でも使われているところがある)、フランスでも、樽のくん煙にイオウを燃やしていましたが、 それと同じようなイオウ臭さがあります。 日本での使用はワイン1リットルあたり0.35グラムを越えないこと、となっています。 醸造技術の向上により、使用量は減る傾向にあります。 しかし、繊細な香り・味をもつ醸造専用種などのワインをつくるには、酸化防止剤を いかに使うかが勝負になってきます。 酸化防止剤を使わないことに越したことはないでしょう。 しかし、以下の点を考えると最低限の使用は必要だと思います。 1.酸化防止剤を使わないことは醸造工程を無菌状態にする必要があります。 2.無菌状態にするには、破砕除梗機や圧搾機、パイプラインなどの必要以上の洗浄が必要です。 3.機械類の洗浄には、アルカリや酸を使用します。これは廃水処理に負担をかけることになります。 4.酸化防止剤を使わないことは、ブドウが少しは酸化される、ということになります。 5.アメリカ系のブドウは、特徴的な強い香りがあるので、それでも耐えうるでしょう。 6.ヨーロッパ系、つまりワイン用のブドウでは、酸化・褐変は強敵です。 7.天然酵母使用、というワインをみつけたことがあります。これって、野生酵母でつくってるの? 熟成するにワインがこなれてきて、酸化防止剤の影響が数字的にも少なくなっていきます。 ワイン中の二酸化イオウが体に害を与える、ということはまったくありませんよ。 |